top of page

漆喰

IMG_1205.JPG

静岡県松崎町 旧依田邸

​土蔵入口

 漆喰(しっくい)という言葉は聞いたことがあると思いますが、それ自体は、ほとんど知られていないと思います。

 漆喰は、石灰(せっかい)から作ることができ、古代の時代から知られていて、エジプトのピラミッド建造の際には、巨石を積み上げる際に、接着剤(石灰モルタル)として使われていました。

 日本には、仏教伝来の時期に大陸から伝わったとされ、日本には豊富に石灰があるので、耐火性、防水性の高い漆喰は、お寺の壁などに使われ広がっていきます。

 江戸時代に、漆喰仕上が商人のなかで広がります。

 江戸の町は火災が多く、大切な財産を守るため、耐火性が高い漆喰を塗りこめた土蔵が多数作られ、左官職人が、色々な装飾技術(鏝絵)などを

​駆使して美しい土蔵が作られました​。

 漆喰というのは当て字で、唐の時代、石灰のことを「しっくい」と呼んでいたことから、漆喰の漢字が当てられました。

IMG_1226.JPG
IMG_1223.JPG

国指定重要文化財 岩科学校

​ 明治の時代に入り、洋風建築が作られ、日本の左官職人による漆喰装飾がもてはやされていきます。またこの時代からセメントが作られるようになり、左官業界は隆盛を極めることとなります。

IMG_0906.JPG
IMG_0909.JPG

札幌市 豊平館

 隆盛を極めた土蔵、漆喰装飾ですが、関東大震災により壊滅的な打撃を受け、多くの土蔵が倒壊しました。

 土蔵は漆喰の耐火性により火事には強かったのですが、土壁工法で作られた土蔵は、耐震性に低く、壊れた漆喰では、耐火性も低くなってしまい、多くを焼失しました。

​ そのため、手間暇もかかる土蔵仕上げ建築が敬遠され、耐震性の高いコンクリート製建物に置き換わることとなり、左官工事もコンクリート、モルタル作業に代わることとなります。

IMG_0150.JPG

東京駅 北ドーム

​現代しっくい

​ 漆喰工法は、特に北海道においては現在施工することはありません。と言ってましたが、令和の時代に入る少し前くらいから、室内に漆喰を塗ってほしいとの要望があり、年間で数件ですが漆喰施工をしています。

IMG_0155_edited.jpg
IMG_0172.JPG

帯広市 もみじ薬局

​ 漆喰は石灰から作られます。製造工程は省きますが、自然素材として作られているのでVOC(揮発性有機化合物)を一切含んでいませんので、化学物質過敏症の方やシックハウス症候群の方々にも安心して暮らすことが出来ます。

注:我々、施工業者は色々な施工写真を持っていますが、施主様の許可がないと提示できません。ご了承ください。

​ また、石灰は強アルカリ性で、よくテレビなどで鳥インフルエンザ等の消毒作業をして方々が、白い粉を撒いていますが、あれが石灰ですので、漆喰には強い殺菌作用があります。

 また、消臭、調湿効果があることは調査、研究にて証明されていて、国の公共建築標準仕様書にも漆喰仕上が取り上げられています。

​ 現在、日本左官業組合連合会(日左連)では、漆喰を「現代しっくい」として普及していこうとしています。

​ 当社も、「現代しっくい施工工法」の講習を受けております。もし、ご興味を持たれましたら、「しっくいまるわかり大辞典」のHPを見て頂けたら思います。当HPより詳しいです。

しっくい辞典.jpg
しっくい講習修了証.jpg
bottom of page